空気圧制御式アクティブ除振システムMAPSシリーズ
6自由度アクティブ制御で全自由度の振動に対して優れた除振性能、制振性能、位置決め性能を発揮
- ユニットタイプ
概要・特長
小型でも全自由度の振動に対応
明立精機MAPSシリーズのアクティブ除振システムはコンパクトな形状の中に垂直用と水平用の空気圧アクチュエータを組み込んだユニットタイプです。4ユニット使用することにより、全自由度の振動に対して優れた除振性能、制振性能、位置決め性能を発揮します。
パッシブ除振では難しい帯域の振動もカット
パッシブ除振では固有振動による共振が常に問題となるケースがしばしばありますが、アクティブ化によって固有振動による共振を取り除くことができます。
更にこの帯域で優れた除振性能を得ることも可能です。例えば、パッシブ除振の不得意とする2 Hz近辺の低周波振動は、パッシブ除振と比較して、1/30~1/100以下まで小さくすることができます。
標準MAPSで10トン以上の装置除振可能
最近の精密機器は、機能の充実に伴いますます大型化する傾向にあります。総重量で10トンを越える装置も既に開発されています。装置の大型化によって装置自体の固有振動数を高く保つことが難しくなるため、従来ほとんど問題にならなかった低周波振動に対しても影響を受けやすくなっています。これも低周波振動の除振性能に優れるアクティブ除振システムが必要とされる理由の一つです。
ステージ等の稼働する装置を搭載しても揺れません
柔らかな弾性体で支持することによって除振するパッシブ除振装置上では、X-Yステージなどの動きを伴う装置を搭載すると、全体が大きく揺れてしまいかえって振動を増やしてしまうことにもなりかねません。
アクティブ除振では、静止状態を常に保つようにフィードバック制御するので揺れを小さくすることができます。さらに、予めステージの動きを信号として出力できれば、発生する振動が最も小さくなるようにフィードフォワード制御できるので、ほとんど揺れのない環境を提供することも可能です。
MAPSは位置決め精度、レベル精度に優れています
装置が大型になると傾きも問題になります。装置自身が重いため、傾くと自重でたわんでしまい、精度に著しい影響が出ます。 MAPSはレベル精度にも配慮した制御を行っていますので、傾きを抑えることができ精度を保つことができます。また、位置決め精度にも配慮しており、ディスクや基板などの受け渡しもスムーズに行うことができます。
MAPSは小型で使いやすいユニットタイプ
MAPSを装着するためのスペースを確保していただくだけで、振動に影響されない環境を手に入れることができます。MAPSシリーズの制御系は大変安定していますので、社内設備はもちろん、販売を目的とした製品にも安心してお使いいただくことができます。
MAPSは精密機器を構成する重要なパーツのひとつです
いままでは、ただ振動に対する不安から除振装置を使用する方が多かったようですが、今日のように高精度化、高機能化、大型化が進んでくると、除振装置に搭載して振動の影響を取り除かないと、仕様書通りの性能が発揮できないという現象が起きるようになってしまいました。除振装置は精密機器の付帯装置というよりは、システムを構成し、性能を発揮するための重要な必須パーツのひとつといえます。
基本構成パーツと数量
- MAPSアクチュエータ 4台
- コントローラ・アンプ 1台
- 空気圧レギュレータ 1台
- ケ ー ブ ル 類 1式
- 配 管 1式
装置の開発開始時からお声をおかけください
MAPSシリーズはコンパクトな形状の中に除振に必要な機能を全て備えています。そのため、従来のように除振装置を設置するために必要だった広いスペースを確保する必要はありません。
もちろん、MAPSは装置開発完了後でも容易に組み付けることができますが、その場合、様々な制約が出てくることが多くなります。除振性能面でも、コストの面でも、あまり良い方法とは言えません。装置の開発段階からMAPSを装着した状態の架台、筐体などを設計することにより、スペースを有効に活用でき、除振性能面でも有利な位置にMAPSを装着することができます。
このように、精密機器の開発・設計時にMAPSの装着まで含めて検討することにより振動環境を更に良好な状態に近づけることが可能です。
MAPSの代表的な振動伝達率
仕様
- 主な仕様
項目/形式 | MAPS-008 | MAPS-016 | MAPS-033 | MAPS-065 | MAPS-130 | MAPS-240 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
搭載可能質量[kgf] (4ユニット使用時) | 400~800 | 800~1600 |
1600 ~3300 |
3300 ~6500 |
6500 ~13000 |
13000 ~24000 | |
機体寸法 W×D×H[mm] | 235×235×130 | 296×296×140 | 350×350×150 | 450×450×190 | 600×480×190 | 710×600×190 | |
トッププレート/ベースプレート 取付穴数量 - 穴径C[mm] | 4-Φ10 | 4-Φ10 | 4-Φ14 | 4-Φ16 | 6-Φ16 | 6-Φ16 | |
トッププレート/ ベースプレート 取付穴ピッチ | A1[mm] | 218 | 276 | 320 | 420 | - | - |
A2[mm] | - | - | - | - | 100 | 250 | |
A3[mm] | - | - | - | - | 460 | 420 | |
A4[mm] | - | - | - | - | 25 | 20 | |
B[mm] | 218 | 276 | 320 | 420 | 430 | 230 | |
1ユニットあたりの 機体質量 [kg] | 13 | 42 | 63 | 110 | 180 | 230 | |
供給空気圧 [MPa] | 0.6~0.8(クリーンエアー) | ||||||
定常空気消費量 [|/min] | 45~65 | 120~170 | |||||
最大空気消費量 [|/min] | 120 | 300 | |||||
電源電圧[V] | 100~240 (AC単相,50/60 Hz) | ||||||
最大消費電力 [VA] | 180 | ||||||
周囲温度 [゜c] | 0~40 | ||||||
周囲湿度 [%RH] | 35~85 (結露しないこと) | ||||||
ばね上構造体固有振動数 [Hz] | 200以上(推奨値) | ||||||
除振・制振方式 | 空気圧制御による振動制御 | ||||||
レベル維持方式 | 空気圧制御による位置制御 | ||||||
除振性能 | 振動伝達率参照 | ||||||
制御軸数 | ≦6 |
設置場所の環境、搭載物の特性、制御方法、などによって除振性能、位置決め精度は変わることがあります。この表以外の型式・仕様についても製作可能です。お問い合わせください。
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